メタン発酵消化液の機械施用
家畜糞尿や食品廃棄物等のバイオマスをメタン発酵することでバガスを発生させて、環境に優しい発電と発熱を行っています。このメタン発酵後には、消化液と呼ばれる残渣が残ります。これには、窒素、リン、カリという肥料として有用な成分が含まれています。これを水田に肥料として均一施用する機械の試験と評価を行っています。
研究目的
乳牛の糞尿や豆腐や乳製品などの食品廃棄物等のバイオマスを資源として再利用するためにメタン発酵が行われています。メタン発酵ではバイオガスとしてメタンガスを発生させて、これでガスエンジンを運転し環境に優しい発電と発熱を行っています。バイオマスは生物由来の資源であるため、発生する二酸化炭素も再び生物に固定される(カーボンニュートラル)と考えられています。このメタン発酵後には、消化液と呼ばれる残渣が残ります。これには、窒素、リン、カリという肥料として有用な成分が含まれています。これを水田に肥料として均一施用する機械の試験と評価を行っています。
実験装置
消化液はほとんどが水分であるため、10a当たりに3トンの量を施用する必要があります。このため、図1のように大きなタンクを搭載したクローラ車両で施用します。施用する量は、走行速度に応じて、吐出弁を制御します。
図1 メタン発酵消化液を基肥として水田に施用
実験結果
1haの水田に基肥として、メタン発酵消化液を施用した結果を図2に示します。大体窒素で5~6kg/10aの施用量になっていることがわかります。多めに施用したところは、機械が旋回するために重複している部分と、一部消化液が詰まったため、故意に2度施用した部分です。
消化液を施用した結果を表した施用マップ